技術士二次試験は時短で攻略するには、ほとんどの部門に共通して絶対やってはいけない勉強方法があります。
それは技術士試験に臨むに当たり、
1.知識量を増やそうとして、教科書、参考書類を精読をしてはいけない
2.教科書等の例題や練習問題を1から順に解いてマスターしようとしてはいけない
3.苦手な分野は無理して克服してはいけない
なんですね。
本当に大事なことと思いますので、もう少し詳しく説明していきます。
1.知識量を増やそうとして、教科書、参考書類を精読をしてはいけない
大前提ですが、技術士二次試験はあなたの知識量を推し量る試験ではありません。
あなたが受験する技術部門、専門分野において、実際のところはまだまだ知識不足のことがあるかもしれません。ですが、その知識不足を埋めるような勉強方法はダメだと言っているのです。
最低限の知識は、記述式の部門共通問題で問われます。(以前は択一式の問題でした。)これは部門の技術士としてもっていてほしい知識なので、この点はクリアしておく必要がありますけどね。
自分が受験しようとする部門の全ての選択科目の教科書や参考書を精読、つまり頭に叩き込む必要はなく、どのような項目が存在するかを知る程度でよいです。
そして、過去問を洗いざらい分析し、どの辺の分野が多く問われているかの当たりはつけておきます。そこからキーワード集を作成していきます。
現在自分の持っている知識を総括的にパッケージ化することに時間を使うのです。
わたしはこの「精読」の概念を捨てることで、時間短縮することができました。
2.教科書等の例題や練習問題を1から順に解いてマスターしようとしてはいけない
キーワード周りの知識の体系化、定着化を図る際に、問題を解くことで、つい専門性の理解不足を補おうとしてしまいがちです。
これも必要ありません。
大学受験や一般的な資格試験、もちろん、技術士の一次試験も問題集や過去問を繰り返すことにより、合格基準を突破できる力を養います。
ですが論文対策としては問題を解くことで理解を深めるという手法は一切不要です。計算問題が出ることもほとんどないでしょう。
例えば、化学工学には、「蒸留」という単位操作があります。
これに関して、留出液の組成がどうなるかを問う計算や必要理論段はいくらになるかといった練習問題を解く必要はないということです。
ここでは詳しく書きませんが、もし「蒸留」を学習するのであれば、蒸留の原理、長所、短所、実際に工場で適用されている例、既存技術からの改善技術などを把握する必要があります。
これらは「キーワード集作成」に相当します。
下地(専門分野のありとあらゆる知識)を作ってから、論文を書けるようにしていこうと思っては、はっきり言って時間が相当かかってしまいます。
教科書類の精読の必要はない。ただし、選択的に集中して理解する部分はある。
これを肝に銘じてください。
苦手な分野は無理して克服してはいけない
受験部門が決まり、専門科目も決まりますよね。で、キーワード学習をしていくことになるわけですが、それでもどうしても自分が馴染めない分野が出てくるんですよね。
みなさん、そんなパーフェクトな知識とスキのない実務を経験しているわけではありませんからね。
技術士の二次試験は、ドンピシャで周辺技術を理解していないと記述できないのは、選択科目Iの専門知識くらいなもんで、応用能力は課題解決力は「確実に」自分の得意分野の話に帰着させて論文を書くことになります。
ですから、生半可な準備ならやらないほうがましなんですよ。
得意な技術分野を、どんな風に攻められても自分の型が解答できるようにする、そんな訓練が必要なわけです。
学習時間が潤沢にあって、やることがない人は苦手分野も薄っぺらい知識で武装してもいいですけど、本番ではまったく役に立たないと思いますよ。
時間を掛ける部分は限定的に、そして完璧に仕上げていきましょう。
技術士二次試験の論文対策にはほぼ役に立たないだろうなーと思う本を発見しました。項目1の話に近いのですが、少し毛並みが違うので、目次とは切り離して補足しておきます。
わたしは批評するには読まなくてはなりませんので、kindleで購入し、速読しました。
5分で読了。フォトリーディングに近い感じで。
タイトル通り、理工系の論文を書くための指導書になっていますので、論文の寄稿、学会用のレジメなど、公の場に提出する文書が書けない人には参考になるかもしれません。(わたしは実感なし)
ですから、文書を書くのに役に立たないということではありません。技術士二次試験の論文対策としてはほぼ役に立たないのです。
こと技術士二次試験においては、この本をじっくり読み、実践できるようになったとしても、合格論文を書けるようにはならないですね。
他に時間リソースを割くべきポイントがあります。
この書籍中強いてあげるなら、6. はっきり言い切る姿勢と8. わかりやすく簡潔な表現の部分は参考になりますけどね。
わたしの書籍でも何度もお伝えしている内容です。
外堀から埋めるような、そんなアプローチはしないでください。
おいおい、この理科系の作文技術は有名な著書だぞ。何を否定してるんだー!と思われた方。
読み物として嗜むのは良いかもしれませんよ。
では、技術士二次試験の論文はどのように対策していくのか?それは上のシリーズの続編としてKincleで出版することを考えています。今回は対策のイメージを伝えておきますね。
論文対策の基本戦略を伝えますと、
・一枚もの
・二枚もの
・三枚もの
は、別科目として対策をとります。
問題の型がありますので、それに逆らうことなく回答の型を身につけます。そして、技術士として求められている応用的専門能力が伝わるように、型を持って回答します。
共通なことは、あなたの技術部門のキーワードをまとめておくことですね。
最後に、文書作成は現代表記法に則ること
この3つだけは抑えておきましょう。
あなたは一体どのようにして合格したんだよ?って疑問に思う方はこちらを。
エネルギー、環境系に関する参考書はこれらが大変役に立ちました。
技術士試験の難易度変化について。