Notes

日大悪質タックルの悪質度合いを、競技ルールがよくわからない人でもわかるように説明 加害者本人も悪いが日大首脳陣はその数倍悪い。

日大アメフト部の「悪質タックル問題」について、アメリカンフットボール競技経験のあるわたしが、簡単にルールを解説した上で、このスポーツにおいて、どの程度マズイ反則なのかを交えて思うことを書きます。

問題となったプレー動画を見れば、一目瞭然で一般の方でもその悪質具合はわかるとは思いますし、アナウンサーもそう言っています。

しかし、悪質度の深さ、ことの重大さはなかなか伝わりにくいかと思っています。

https://www.youtube.com/watch?v=jOYfkSXEvGwwww.youtube.com

なぜなら、そもそもアメリカンフットボールは人と人が防具を介して接触する頻度の高いスポーツですから、反則と通常プレイとの差が競技経験のない方には伝わりにくいからです。

アメリカンフットボールの簡単ルール説明

ではまず、ルールがよくわからない方向けということで、アメフトのルールを簡単に説明します。

ゲームの流れ
  1. 野球と同様に攻守がはっきり分かれています。
    サッカーやラグビーのように動的に攻守が交替することはありません。
  2. アメリカンフットボールはボールを持っていない人にもブロッキング行為をしてよいことになっています。
    比較対象としてよく例に挙がるラグビーでは、ボールキャリアにのみタックル行為が認められています。
  3. 攻撃側は、4回の攻撃権があり、その間に10ヤード(約9m)進むことが必要になります。
    これをクリアすれば、この攻撃権はリセットされ、新たな4回攻撃権を得ます。
  4. このようにして、陣地を相手側に進めていき、最終的に相手側のタッチダウンゾーンにボールの一部が空間的に接すればタッチダウンとなり、6点を獲得します。
    (ラグビーのようにボールを地面につける必要はありません。)
  5. その後トライフォーポンイトでキックが決まればさらに1点追加、計7点になります。)
  6. 一方、守備側は相手側に得点させないために、相手側の4回の攻撃を10ヤード以内におさえようとします。
  7. 3回の攻撃をとめて4th down and 5(フォースダウンアンドファイブ)、つまり3回の攻撃をした結果5ヤードは獲得したけど、最後の攻撃権で5ヤード獲得しなければならない状況の時、
    攻撃側はそのまま攻撃(ギャンブル)するか、パント(ボールを相手陣内に蹴りこむことで陣地を挽回しておく)という2種類の選択を余儀なくされます。
    なので、攻撃側は基本的に3回の攻撃で10ヤードすする攻撃プランを組み立てます。
  8. 7の場合、通常後者のパントを選びます。なぜなら、もし攻撃が失敗した場合、相手側には相当有利な陣地から(自陣のタッチダウンゾーンに近いところ)攻撃をされてしまうことになるからです。
  9. もちろん成功すれば、新たな攻撃権が得られます。ですからこの選択をギャンブルといいます。

    ここまでが一般的なルールです。

反則について
  1. アメフトの反則に対する罰則は陣地の移動により償うことになります。
    攻撃側、守備側のどちらにおいても、スタートが早かった、のような反則の場合は、5ヤードの罰退になります。
  2. 守備側が反則すれば、攻撃側は5ヤード進むことができますし、反対に攻撃側の反則ですと、攻撃側は自陣側に5ヤード戻されます。
  3. 反則の中でも、重めの反則は15ヤードの罰退になります。
  4. 守備側がこれを犯すと、攻撃側はオートマチックファーストダウンが与えられます。10ヤード以上の獲得になるためです。
  5. 攻撃側がこれを犯すと、攻撃側は15ヤードも自陣側に戻されます。

    とにかく手痛い反則になるため、プレーヤーは決してこれを犯さないように細心の注意を払ってプレイします。

15ヤードの罰退反則
  1. バスインターフェアランス・・・クォーターバックからパスが離れた後、つまりボールが空中にあるときに、守備側の人間は、攻撃側のレシーバーに触れてはならない。
  2. ラフィング ザ キッカー・・・キッカーがボールを蹴った後、キッカーにタックルする行為。キックした後はアンバランスのため、怪我する可能性が高いため。
  3. ラフィング ザ パッサー・・・主にクォーターバックがパスを投げた後、そのパッサーにタックルする行為。パスをした後はアンバランスのため、怪我する可能性が高いため。
  4. クリッピング・・・・最初の接触が背後で、かつ腰、もしくは腰から膝高さまでのブロック、およびタックル

    これら4つの反則は15ヤードの罰退になります。

改めて動画確認

このルールがわかってから、この動画を見ると、いかにやばい反則がよく理解できます。

https://www.youtube.com/watch?v=jOYfkSXEvGwwww.youtube.com

反則は真剣にプレーした結果たまたまそうなった場合と、故意に行ったのでは雲泥の差

反則としてはラフィング ザ パッサー + クリッピングになるわけですが、故意であることが大問題です。

真剣にプレーしていれば、このラフィング ザ パッサーのような反則もきわどいタイミングでは起きることがあります。

しかし、守備側のプレイヤーも反則したくないですから、ギリギリのところで交わそうとします。

わたしもキッカーをやっていたことがありますが、守備側のプレイヤーはキッカーであるわたしに接触したくないために、わたしが蹴り終わった後は、相手選手は横に転倒しながらでも必死によけようとします。

またわたしは攻撃側のプレーヤーとして、ランニングバック(ポールをクォーターバックから受け取り、走ることでヤードを獲得するプレーヤー)をしていたのですが、笛がなるまでは守備側の人間から浴びるようなタックルをうけます。

転びそうになっても、手をついてでも走り続けます。

もちろん、時に重たい選手に乗っかられて捻挫したこともあります。

こんな感じで攻撃側、守備側のプレーヤーが笛がなって1プレイが終了するまでギリギリの競り合うスポーツなのです。

今回の場合、完全にプレーが終了しています。

クォーターバックはパスが失敗したことで、天を仰いでいます。

この無防備な状態のところに、全速力で、背後から、腰から膝上の範囲に故意にタックルしています。

まじで、本当に信じられない光景なんです・・・。

これ、別のスポーツのありえない反則におきかえてみました。

◆野球であれば、ピッチャーが、ネクストバッターサークルで後ろ向きで素振りしている次の打者に対し、助走をつけて背後から頭に向けて硬式のボールを投げ込む行為

◆サッカーであれば、ゴールを外して天を仰いでいる敵選手に対して、後ろから腰付近に飛び蹴りする行為

◆ボクシングなら、TKOでゴングがなり、相手選手が戦意喪失状態にもかかわらず、さらに思いっきりあごにアッパーパンチを食らわす行為

◆プロレスなら、ギブアップとタップし、ゴングがなっているのにさらに締め続ける行為

◆テコンドーなら、ゴングがなって一旦ラウンド終了しているのに背後からネリチャギを食らわす行為

◆日常生活でいえは、歩行者ゾーンを歩いていたら、背後から原動付きバイクに突っ込まれる事故

どれも重篤な怪我に至るでしょう。

今回の反則は、これらとほぼ同等なんです。

伝わりましたか。

日大首脳人の問題

具体的な行為の指示はなかったものの、

クォーターバックを仕留めないとおまえの今後はない、
これらのことをやらないと、おまえをスターター(スタメン)として使わないぞ

なんて言われたということです・・・・(記者会見動画にて確認)。
www.youtube.com

100%この内容を信じるわけではありませんが、95%以上は正しいと思っています。

このタックルですが、通常の精神状態であったら、まずできません。
他のスポーツの例えと比較すると容易に理解できます。

それにもかかわらず、やってしまった・・・・。
やらざるを得なかった・・・・。

日大アメフト部の上層部がこの選手を洗脳していた、もしくはこの状態になるまで精神的に追いやったことが汲み取れます。

組織的な圧力がかかったら、なにが正しいのか判断できなくなるまで精神が追い込まれることもあるでしょう。

この反則を犯したら、もうアメフト生命はないだろうなと気がつきながらもやってしまったかもしれません。

そんなことをしたら、わたしはもうアメフトを続けていくことができません!ともいえない雰囲気だったのでしょう。

だからといって、わたしは、この反則した選手を弁護する気はありません。
人をこ○せ!と社長に命令されたからといって、それをやってしまったら、少なくとも本人も罪に問われてしまいます。
しかし、酌量の余地はあると思っています。

それ以上に酷いのが、内田監督と井上コーチです。
実行した人以上に悪です。

監督とコーチには弁解の余地ありません。
指導者としても失格です。

まだ20歳そこそこで、このようなことになって不憫でなりません。
日本を代表するいい選手だったろうに・・・。

なんで彼が急に目をつけられてしまったんだろうか・・・。

まだまだクリアになっていないことが多いと思います。

内田監督、井上コーチにはしっかり誠意を見せてもらい、罪を償ってもらいたいと思います。

最後に、全治3週間の怪我を負ってしまった関学QBの選手のいち早い快復をお祈りしています。

18.5.24追記
本件、選手の受け取り方の問題であると日大側は述べているようです。

もし1万歩譲ってこれが正しいと仮定しても、
サッカーでいえばゴールを外した選手に後ろから飛び蹴りする敵選手、またはボクシングでいえばゴングがなっているのにさらに攻撃をするような選手は
それが起きた時点ですぐに選手交替させ、自チーム内で厳しく指導しますよね。
(ボクシングには選手交替の概念ありませんが・・)

それを行なわずに、プレーをさせ続け、さらに加害者となったプレイヤーに罪の上塗りをさせて、
よくも「本人の解釈と首脳陣の指示との間に乖離があった」なんていえたもんです。

救いようがないかもしれません。

なんどもいいますが、わたしは加害者本人に落ち度がないとは思っていません。
彼はそれ相応に処されるべきではありますが、わたしの注目すべきポイントはここではないのです。

言い訳するばするほど、窮地に立たされるのは大学側なのに、そんな善悪もわからなくなるほど日本大学および日本大学アメフト部は落ちぶれてしまったのですね。

これは根深い問題です。

日本大学に進学すると、このような思想に洗脳されて4年間過ごすことになり、前途真っ暗だと判断して受験すら辞退する人も増えるでしょう。

故篠竹監督が育てたあの日大アメフト部が、こんな状態にまで落ちぶれてしまったことが残念でなりません。

これから日大を卒業していく未来ある学生たちが、いらぬとばっちりを受けるであろうことも残念でなりません。

最後に、日大は日本大学です。日体大、日本体育大学ではありません!
日体大にもアメフト部がありますが、決して間違うことのないようにお願いします。

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