今日は、いつもと違ったテイストの投稿です^^
小難しいかもしれませんが、知っておくと有用と思います。
ぜひ読んでみてください!
特許のお話
特許をとったからといって、その方法が優れていると解釈するのは、部分的には正しいですが、一定の誤解が含まれます。
特許は、凄ーく効果がなくても、取得できる場合があります。
また、
え?そんな技術が特許になるの?なんで??
っていう方法が特許として認められることが大いにあります。
今回は、
キャッチーなセールスに引っかからないようにしていただくために、
正しい理解を伝えることにしました。
長い話になりますが、どうかお付き合いください!
特許法とは、産業上利用可能な発明 (物の発明,方法の発明,物を生産する方法の発明) をした者に特許権を付与して,発明の保護および利用をはかることにより発明を奨励し,産業の発達に寄与することを目的とする法律。
これが特許法で定められている定義です。
本質的には、発明の保護するため法律です。
というのも、せっかく世の中にない新しい発明したのに、簡単に技術が盗用、模倣されては発明者が浮かばれないからです。
また、このようなことを発明者が防ぐために、せっかくの発明した技術、方法を世の中に出さなければ、文明が発展しにくくなります。
これでは世のためにはならない!
ってことでこの法律があります。
ではどのようにすれば、ある発明が特許として認められるか
特許として認められるには、新規性と進歩性の面で、出願した特許がこれを満足しているか否か、特許庁の審査官が必死に審査し、否定することがなかったら特許として成立します。
その上で、今までクリアできなかった課題をその発明がどのようにしてクリアしたのか、どんな効果が得られるのかも判断の要件に含まれます。
新規性とは、世の中に全く出ていない発案のことで、審査官はとにかく前例がないか、超調べます。
進歩性とは、既に世の中にある技術や方法を少し改善することにより、今までよりも効果が大きい技術や方法に対して認められます。
審査官が前例を見つけると、特許としては認めません!っていう通知を出してきます。
また、現在世の中に出でいる技術や方法を組み合わせて使うなどの特許出願は、誰でも思いつくことなので、特許としては認めません!っていう通知を出してきます。
この通知のことを拒絶通知といい、この理由が書かれたものを拒絶理由通知書っていいます。
これを受け取った特許出願者は、必死になって、審査官の拒絶理由を否定します。
平たくいうと、審査官、あなたの言っていることは筋が通っていませんと、申し立てをするのです。
特許庁審査官とのやりとりは論理同士のバトル
特許法をクリーンな解釈をすると、冒頭で述べた通りですが、この法律をうまく利用することを考えた場合、特許さえとれれば、相当な効力をもつことになりますので、なんとしてでも成立させようとします。
当然です。
一度取得してしまえば、似たような方法や発明をした者に対して、訴えることができ、場合によってはライセンス料を支払わせることもできます。
穿った解釈をすると、
発明者の保護のためだった法律を、収益化のための武器に変えることができてしまうのです。
なので、とにかく新規性と進歩性における否定理由を潰し、なんとか特許として成立させるように努力します。
この時、実は、その特許の成果・効果のほどはさほど問題になりません。
もちろん、実験データ・検証データは必要なのですが、その前提条件や実施条件等、特許庁審査官が全て正しいか判断できないのです。
わたしも審査官ともやりとりを数多くやってきましたが、出願している技術の効果が怪しいとか、効果が足りないと言ったことで議論になったことは一度もありません。
拒絶する理由がなければ、特許になります。
ここが重要なわけです。
やっとここまできました。
ここからがわたしの主張
ある英語の学習法が特許取得!ってメールマガジンがきたのです。
このメールをみてハッとしました。
これは絶対に、この内容を誤解する人がいるはずだと。
この文言で多くの人が誤解してこの学習法を始めてしまうのは、お金と時間の損失に繋がりかねないと思い、警鐘の意味を込めて長々と書いてきました。
ある英語の学習法が特許を取ったとしても、その方法の効果がものすごく顕著に出るとか、効果的であるという理由で特許になることはありません。
そのような期待を持って、その教材なりサービスを受けるのはやめたほうがよい、ということが伝えたいことです。
もちろん、効果が0でもないでしょう。
人それぞれ効果の出方は違うはずです。
特許取得=ものすごい効果があるではなく、他の会社では実施していない手法である、くらいの理解でちょうど良いと思います。
誰かしらの役に立てば幸いです!
ではでは。