TSS

最終更新日: 2020.01.3

レース当日TSSをトレーニングに活用する方法とその目安について

レース当日のTSS実績というものは、次回のロングレースに臨む際の目標タイム算出や強度算出に非常に有益です。

というのも、常日頃のトレーニングで鍛えられたFTPや閾値ペースというのは毎回測定できるないからです。

本番レースでは最高のパフォーマンスを発揮しているはずなので、このデータから現在の限界値を把握し、トレーニングメニューに活かしましょうという話をしていきます。

今回は、わたしのレース実績を用いて、それをどのように活かしていくかの具体的に説明していきます。

さて、トライアスロンのレース中における体感負荷というのは、選手のレベルによって異なる話をしました。

ロングトライアスロンレースのTSSを確認する前に、わたしの先日のロングレース分析により、スイムのFTペースとバイクのFTPを補正しましたので、レース当日のTSSを補正しておこうと思います。

TSSがまだよくわからない方は、まずこちらでTSSとは何かを知っておいてください。

スイムのsTSS見直し

こちらにて、スイムのFTペースを2:07から1:57に修正しております。この時、sTSSは22%下がりますので、134 x 0.78 =105となります。

バイクのTSS見直し

こちらにて、TSS: 447 → 275に修正しています。

ランのrTSS見直し

ランは、ランのFTp(4:42)が妥当だと思いましたので、見直しを行っておりません。
タイムが遅くなってしまったのは、単に地脚不足で遅かっただけですので、ここは特に見直す必要ありません。

ランのTSS、rTSSは219

これを補正すると、補正前800に対して、修正後599となります。

レース当日のトータルTSSは 600ということになります。

トータルTSSが200低く補正されたとしても、TSS600というのは非常に高い数値です。数日間は休養が必要なのも理解できます。
実際わたしは丸四日、完全休養にしました。

< h4 class=”style4b”>1日当たりのトレーニングストレススコア(TSS®)の目安

TSSが150未満 – 低(回復は概ね翌日までに完了)
150-300 – 中程度(翌日には疲労が残っているかもしれないが、2日目には疲れがとれる)
300-450 – 高(2日後でも若干の残留疲労が存在する可能性がある)
450以上 – 非常に高い(数日続く可能性がある残留疲労)

レース当日のTSSの活用方法

で、この数値をどのように活用するかということですが・・・。

次回のロングレースに臨む際の目標タイム算出や強度算出に役に立たせるわけです。

色々前提付きになりますが、まずわたしのレース予算をCTL66で600と仮置きすることができます。
(レース当日のCTLが66にまで低下していました。)

TraningpeaksのCTLは体力を示しており、これを上げるために日々トレーニングをしていくわけですから、レース当日のCTLと、当日の許容TSSを関連づけて考えてもよいはずだと考えました。

では、一例を考えてみます。

スイムはFTペースも目標時間も変わらないとすると104となります。

ランは5:50(8:17min/km)→4:34(6:30min/km)で走ると仮定すると、rTSSが219か276に増加します。
計算式は省略しますが、こちらの考え方に基づいています。

次に、トータルの許容TSSを変えないとすると、rTSS増加分をバイクの予算TSS275から減じないといけませんので、それが218になってしまいます。

これはさすがにバイクの目標TSSとしては低すぎで、今回のゴールタイムよりも遅くなってしまいます。

ではどう考えるか。

ひとつは、rTSSが今回のレースと同じになる強度とFTpを探ることになります。

計算しますと、FTpが4:42から4:12になると、強度IFは0.567から0.646に増えますが、走行時間が減少するのでrTSSは同じになります。

この結果を一言でいいますと、、

スイムとバイクのパフォーマンスおよびCTLが今回と全く同じ前提で、ランのFTpを4:42→4:12にすることができればトータルタイムを1時間20分短縮できる可能性を示しています。

言い方を変えると、トレーニングをランのパフォーマンス向上に特化してFTpを30秒短縮できれば、トータルの体力も今回と同じで、ゴールタイムが1:20短縮できるということです。

別の観点では、しっかりトレーニングを積んでCTLを70に調整できてレースに臨む場合、予算のTSSを700近くにできるかもしれません。(一点したデータがないので適当です。)
そうなると、FTpは同じでも6:30ペースで走れ切れることも考えられます。

この場合はスピード重視のトレーニングよりも、あくまで体力の向上に向けたトレーニングを行うことになります。

このような考え方をバイクやスイムにも適応し、FTPやFTpの向上、CTLの向上などどこを底上げするのがトータルのレース時間が短縮できる可能性が高いか、また自分のポテンシャルがどこなのかを探るのです。

本番レースでの基準ができるとこういった検討ができるようになりますね。

ピックアップ記事

  1. わたしが技術士の資格取得を目指した理由
  2. English Bell(イングリッシュベル)のDME、5ヶ月でようやく2冊目終…
  3. サラリーマン技術士は「収入のポートフォリオ」を構築しよう
  4. これからは「リソース」を増やすことはやめて、「強み」として育てる
  5. トライアスロンとパワーリフティングとボディメイク、どれにも活かせる筋トレを目指す…

関連記事

  1. TSS

    トレーニングピークスのランニング時のTSS(rTSS)はどのように計算されているのか

    トレーニングピークスのランニング時のTSS(rTSS)の計算は、オリジ…

  2. TSS

    トレーニングピークスを用いたロングトライアスロン年間トレーニングプログラムの活用

    トレーニングピークスは年間のトレーニング計画を立てることに活用するのが…

  3. TSS

    TSSを管理してトレーニング疲労を回復させる重要性について

    トライアスロンのトレーニングでは、TSS(トレーニングストレススコア)…

  4. TSS

    ロングトライアスロンレース時の自転車TSSからトレーニング負荷を再設定する方法

    五島トライアスロンの自転車パートの実績TSSデータをもとにしてFTPを…

  5. TSS

    TSSをベースにしたトレーニング管理および計算方法

    一体どのようにしてTSSを計算し、どのようにTSSを管理してトレーニン…

無料メール講座

ふとした思考や行動

  1. 副業

    サラリーマンが副業で稼ぐためにマーケティングを学び始めてから身につけたセールスに…
  2. 英語

    English Bell(イングリッシュベル)のDMEでスピーキング能力を覚醒さ…
  3. 技術士

    受験申込書作成コンサル
  4. 副業

    サラリーマン技術士は「収入のポートフォリオ」を構築しよう
  5. 生産性

    これからは「リソース」を増やすことはやめて、「強み」として育てる
PAGE TOP