五島トライアスロンのスイムパートの実績データをもとにしてスイムのFTP、つまりCSS(Critical Swim Speed)を逆算し、その数値の妥当性を検証、改めてスイムの閾値ペースであるCSSを再設定しました。
実はわたし、トレーニングをしていく中で少しずつスイムパフォーマンスが上がってきたかもと思いながらも、レース当日までLTペース:2:07設定(1000mTT)LTHR142としてスピードゾーンと心拍ゾーンを定めていました。
しかし、ロングレースでは、このLTペースと平均HRでロングレース3800mを泳ぎ、そして余力はありました。
ということは、これらの値が閾値ではないということです。Swimパフォーマンスのベースが明らかに上がっているのです。
そこで、LTペースおよびLTHRを再設定することにします。
ロングレースにおけるスイム結果の詳細はこちらです。
CSS算出
こちらで求めました。
CSSは1:57
<Coquelin Swim Speed Zone>
Warm up Zone 89-90% 2:11-2:10
Grey Zone 91% 2:09
Endurance Zone 92-94% 2:07-2:04
Tempo Zone 95-98% 2:03-1:59
Threshold Zone 99-106% 1:58-1:50
Supra threshold 106-119% 1:50-1:38
All Out Effort 120% and over 1:38>
1000mTTの結果からLTペースおよびスピードゾーンを確認
とある日、最初の400mをUPし、そのまま調子がよいので1000mTTにしたとき、20:06でした。
(心拍計をつけていなかったこと、前半と後半のペース差がどれくらいなのかよくわからないのが残念です・・・。)
少しサバ読みして20:00で泳げると考えると、2:00が閾値ペースになります。
こう考えるとCSSの方が3秒速いことになります。
1000mTTの結果から、スピードゾーンの決定
このゾーンは1000mTTが19:27-20:06の人では同じ結果になります。
(表はトライアスロントレーニングバイブルP.94表4-1抜粋で左からZone 1,2,3,4,5a,5b,5c)
ロングレースのペースゾーン確認
ロングレース2:06/100mのペースは、CoquelinのゾーンによるとEndurance Zoneに相当します。
<Coquelin Swim Speed Zone>
Warm up Zone 89-90% 2:11-2:10
Grey Zone 91% 2:09
Endurance Zone 92-94% 2:07-2:04
Tempo Zone 95-98% 2:03-1:59
Threshold Zone 99-106% 1:58-1:50
Supra threshold 106-119% 1:50-1:38
All Out Effort 120% and over 1:38>
Joe Frielのゾーンですと、ゾーン4相当になります。
逆に2:06/100mのペースが、
ゾーン3となるには、1000mTTが18:49-19:26 →1:53-1:57ペース
ゾーン3となるには、1000mTTが18:13-18:48 →1:53-1:50ペース
ゾーン2となるには、1000mTTが17:39-18:12 →1:46-1:49ペース
の泳力でないといけないことになります。
さすがに今のレベルで1000mを1:46-1:49ペースで泳げるとは思えないですね。
1:53-1:57、もしくは1:53-1:50ペースなら、気合入れればいけるのかもしれません。
UP込みで実施した1000mTT 20:06であるなら、しっかりウォーミングアップした後に測定開始したら出る気もします。
となると、
1000mTTは18:13-18:48 →1:53-1:50ペースのゾーンに設定します。
CoquelinとJoe Frielのスピードゾーンの違い
図の方がわかりやすそうなので、絵を描いてみました。
各ゾーンの境界は、Joe Frielのほうが自分の感覚とマッチしますね。
スイムの心拍データ
これも低すぎですね。
1000mTTは心拍計をつけていませんでした。・・・
ゾーン3が142になるように、ゾーン5bが160くらいになるように探ってみた結果・・・
ペースと心拍がだいたい一致していそうなので,これを設定します。
IF計算用のFTペースの設定
スイムはsTSS計算において、IFが3乗で効きますので設定が重要です。
現在の候補は
1. 1000TT・・・・2:00
2. CSS・・・1:57
3. Joe Frielゾーンからの逆算・・・1:53
CSSをFTペースに設定するのが一番妥当な気がします。
1はWarmingUPを兼ねていますし、3は見込み具合が大きすぎです。
2はもう少し速くなる気もしますが、実績であることと力の出し具合が最も全力に近いです。
FTペース=CSS=1:57
sTSSの数値変化の確認
(117/127)^3 = 0.782
つまり、22%TSSが低下します。
その分CTLが上がりにくくなりますね。
具体的には、平均ペース2:00で30分トレーニングを行なった場合、
以前のsTSSは100 x 0.5 x (127/120)^3 = 59
見直しsTSSは100 x 0.5 x (117/120)^3 = 46
59 x 0.782 = 46
まとめ
IF計算用のFTペースはCSSを採用し1:57とする。
これにより、今までと同じペースでトレーニングを行なうとsTSSは22%低下する。
つまり、疲れがたまりにくくなると同時に、スイムパフォーマンスが上がりにくい方向にシフトする。
適切な強度でトレーニングし、適宜CSSを測定する。
ゾーン設定