ロングトライアスロンレースにおける『補給』は、スイム、バイク、ランに次いで第4種目と言われるほどに重要です。
この記事では、2018年五島長崎国際トライアスロン大会におけるレース中のエネルギーと水分補給に関して、わたしの実績を用いて検証を行うことにしました。
具体的には、それらの収支確認と各種目中のそれらの変化を確認し、補給量が適切であったかを省みて次回へ繋げようと思います。
レース中の消費カロリー
Gamin735xtjによる各種目の消費カロリーは以下のように検出されましたので、この数値を用いて検証します。
Swim 1,030 kcal
Bike 2,401 kcal
Run 2,614 kcal
合計 6,045 kcal
レース前に体内に保持されているエネルギーと水分量の前提
これらの数値に関しては諸説ありますが、いろいろ調査して以下の数値を採用することにしました。
レース前体内エネルギーは、1,600kcal
==>朝食をしっかり食べ、さらにレース30分前におにぎりを食べています
レース前体内水分保持量1,500ml
==>レース前に排尿をしましたが、その後すぐにOS-1を200ml飲んでいます
正確には、もっとたくさんの水分が体の中に含まれていますが、ここでは絶対量の問題ではなく、相対的にどのように変化しているかを確認したいので便宜上この数値を置きました。
レース中に摂取した補給食のエネルギー
バイク
スポーツ羊羹 2つ 計226 kcal
Mag-on 6つ 計720 kcal
マルトデキストリン 3つ 計300 kcal
アミノバイタル 4つ
クエン酸4gBCAA3g 3set
スペシャルドリンク 計520 kcal
詳細はこの記事に書いています。
ラン
クエン酸4gBCAA3g 2set
Mag-on 3つ 計360 kcal
マルトデキストリン 3つ 計300 kcal
コーラ 100ml 20杯 760 kcal
詳細はこの記事に書いています。
合計 3186 kcal
レース中に摂取した水分量
スイムウォーミングアップ後
OS-1ジェル 200ml
バイク
スペシャルドリンク 1,300ml
OS-1 ドリンク 300ml
OS-1 ジェル 200ml
ラン
コーラ 2,000ml
合計 4,000ml
レース中に排出した水分量
排尿 2回 600ml
発汗など 3,240ml
合計 3,840ml
運動時の発汗量 と水分摂取量 に及ぼす環境温 度(WBGT)の 影響https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm1949/43/4/43_4_283/_pdf
発汗量の計算は、この論文を参考にしました。
野球での発汗量は、環境温度に関係なく2.02±0.439/kg・hr-1であったのですが、野球よりも平均心拍数は25%くらい高いと考え、3.125/kg・hr-1で発汗すると仮定しました。
体重前提は72kgです。
エネルギーの収支確認
消費カロリー6,045kcalのうち、炭水化物と脂肪の燃焼比により補給に必要なエネルギー量は変わってきます。
わたしは今回、こまめにクエン酸を摂取していましたので、一般的な炭水化物と脂肪の燃焼比で7 : 3よりは高いと思いますが、かといって6 :4 になるほど脂肪が燃焼してくれる体質でもないようです。
経験上、もしそうであるならば、有酸素運動でもっと簡単に体脂肪率を低下させることができるからです。
ということで、レース中は65:35くらいの比だったと考えることにします。
その結果、消費カロリー6,045kcalのうち、65%の3929 kcalが体内エネルギー消費量となります。
エネルギー : 1,600(スタート時)- 3,929(消費) +3,186(補給)= +857 kcal
うん、問題なかったのが納得できます。(レース後にはそれなりにお腹が空いていました)
水分の収支確認
水分は、1,500(スタート時)- 3,840(消費) +4,000(補給)= + 1,660
増えてますね。
ランの時には、コーラで水分をとっていたことになりますが、それが胃ではなく、体内にしっかり吸収されていたかは疑問です。
実際、お腹がタポンタポンになりました。
体内保持エネルギーと水分量の経時変化とまとめ
シミュレーションして結果をグラフに示します。赤が体内エネルギー量、青が水分量になります。
エネルギーと水分の補給のタイミングは、各レポートに記載しています。
グラフ中、横軸について
1-3まではスイム
4-36まではバイク(LAP5km)
37-81までがラン(LAP1km)
になります。 (なお、1目盛り当たりの時間経過は均等ではありません。)
スイムアップ後、しっかりOS-1で水分補給ができているので、概ね水分量は回復しています。(横軸3付近)
エネルギーはスイムでだいぶ消費していますが、バイク中はほとんど横ばいできており、上々の補給の出来だったことになります。(横軸3-36の範囲)
バイク終了後、排尿で水分量がだいぶ落ち(横軸37)、その後はコーラで水分を蓄積していくことになりますが、実際にはうまく体に入ってなかった気がします。というのも、コーラが飲みたい気分が当分続きましたから。
コーラの甘みと炭酸と水分のすべてが本当にありがたかったです。
31.5kmを超えてからは、休憩する頻度を下げたのですが、水分保持量としてはちょうどバランスしています。
しかし、全てが体内に吸収はされていなかったと思いますね。
次回はスペシャルエイドにOS-1を200ml預託した方がよいでしょう。
また、OS-1の顆粒を携帯し、5kmごとに水に溶かして飲むのがよさそうです。
総じて、合格点があげられる補給でした。