トレーニングピークスは年間のトレーニング計画を立てることに活用するのがもっともその機能を享受することができます。(もちろん、短中期でも活躍してくれるわけですが)
今回の事例では、2019年度の五島長崎国際トライアスロン大会をメインレースとおき、トレーニング計画を立てようと思います。(2019年度の五島長崎国際トライアスロン大会の開催日は2019年6月23日です。)
TSSがまだよくわからない方は、まずこちらでTSSとは何かを学んでおいてください。
目標設定コンセプト
この記事では、2018年のロングレース参加日から約一年前まで遡って、トレーニング時間やその強度、週間最長トレーニング距離、メニューの構成の妥当性などを確認しました。
その結果、
- 総トレーニング時間は506時間であり、トライアスリートトレーニングバイブルで推奨の最低600時間を下回っていたこと
- ランのトレーニング時間が不足していたこと
- バイクとランのトレーニング時間比を改善した方がよいこと
- バイクとランのトレーニング強度が低すぎたこと
がわかりました。
見直しのポイントは?
1の年間トレーニング時間ですが、やりたいことが他に色々ありますし同じく500時間を目指そうと思います。もっと少ない時間でレースにむけたコンディションを整えられるのが理想です。
このトレーニング時間は「目指す」というよりも、然るべきトレーニングを積み上げたら結果的にこのくらいに収まるだろうという考えです。
2、3、4に関しては、あれこれ考えるのがとても楽しそうです。
しかし、前回は自分で色々考えた結果、たいしたメニューになりませんでしたし、どうしても好きな種目のバイクに偏ってしまいます。
そこで、トレーニングピークスでトレーニングメニューを購入してみることにしました。
選んだトレーニングメニューは?
Advanced IRONMAN 140.6. 40 Week. 8-17 hours per week. Includes email access to coach.です。
Trainingpeaksには色々なトレーニングメニューが販売されていて、購入するとそれを年間/週間のトレーニング予定にダウンロードすることができます。
また、アプリやガーミンにも予定やWorkoutを落とし込むことができます。全体のトレーニングバランス、平均時間、積み上げるTSSは以下の図の通りです。
平均トレーニング時間:11:15(40weeksで450時間)
バイク46%
ラン24%
スイム21%
筋トレ7%
わたしがこれを選んだ理由
- トータルのトレーニング時間が40週間で450時間と目標トレーニング時間に近いこと
- 週間最大トレーニング時間は17時間が2回くらいであり、その他の週間トレーニング時間はなんとか捻出できそうだったこと
- スイム、バイク、ラン、筋トレのトレーニング時間バランスが自分が目指したいバランスに類似していたこと
- このメニューは、高強度短時間から低強度長時間のものまで良いバランスで組まれていたこと
- 自分がやってこなかったメニューが相当数含まれていたこと
価格は139USDと安くはないですが、わたしにとっては躊躇する金額ではありませんでした。
副次的にはこんなメリットもあります。
- 週間あたり140/40=3.5USDですので、スタバのコーヒー約1杯分感覚でプロ作成のトレーニングメニューを堪能できる
- 他のWeekへトレーニングメニューを複製したり、既存メニューを編集することもできる
- 個々のWorkoutはGarminのガジェット類にダウンロードが可能(わざわざ紙に転記する必要がない)
- 来年以降も使用可能
このメニューのスタート日は?
40週間の対応になっていますので、2018年9月17日の週からのスタートとなります。
ではそれまで(9/17まで)の8週間のトレーニングはどのように考えるのか?
今日から開始日まで毎週250TSS(超ゆるい)で組んだ場合(図中の青塗りライン)と、まったくトレーニングをしなかった場合(図中の青点線)を比較してみると、計画通りにトレーニングが進んだ場合は12-13weeksで追いつきます。(1月の第二週くらいです)
どちらの方法で進んだとしても、最終的にはCTL69でレースを迎えることになります。
次に、仮に毎週500TSS(週間8-10時間のトレーニングボリューム)でトレーニングしたと仮定します。
そうすると以下のようなCTLの軌跡を描きます。(図中の青塗りライン)
9月前半はCTLが高めに推移するのですが、トレーニングメニューの負荷が初期は低いためどんどんCTLが低下していき、結局12-13週経過したところで、全くトレーニングしないやり方と同じになってしまいます。
以上のことから、
この購入したトレーニングメニューをアレンジせずそのまま実施する場合、スタート時のCTLに依存せずレースでのCTLは69となる
ことがわかります。
もしレース当日のCTLをもっと向上させたい場合は?
トレーニング強度かトレーニング時間を増やし、週間獲得TSSを全て増やすことになります。
この期間中のどこかで無理して、スポット的にTSSをガッと稼いだとしても、その過剰分はまもなく吸収されてしまいます。
例えば、今の各週間のTSSを全て増加する方法が考えられます。
回復週に練習量を下げないのは疲労が回復しないのでNGです!
CTLの計算はTSS値の移動平均で算出されているので、簡単には予想できませんが、ざっくりの予想ならできます。
CTLを69から75にしたい場合、75/69=1.087
このプランではTSSが19,628でCTLが69なのでCTLを75にするには19,828 x 0.087=1707のTSSが必要。
これを週間に割り振ると1707/40=43TSS、ランで約30分、バイクで45分の割増が必要です。
ランのみだと20時間、バイクのはで30時間くらいトレーニング時間時間が増えるイメージです。
注意したいのは、前半の負荷の軽い期間にこの20-30時間のトレーニング時間を増やしても意味がないことです。CTLが上昇していったら、その分トレーニング負荷であるTSSも増加しないとCTLが増えないのです。
最長のトレーニング時間が18時間の週ができますね。もしくは後半に強度を上げて同じトレーニング時間でTSSを積むかということになります。
アイアンマンレース に向けて、コンディションを整えることは楽ではありません。
前回わたしはたったの17週間でCTLを30から66に持っていきました。それに比べたら準備期間が倍以上なるので、初期値にCTLが依存しないのもよくわかります。
ただし、計画通りにトレーニングができなかった場合はその分マイナスになるので、これは気をつけないといけません。
この2ヶ月間は自由にトレーニングしてもよい!
ということで、メニューがスタートするまでの間は、どんなトレーニングをしてもよいことがわかりました。
こんな絶好の機会はありません。
柔軟性の向上、スキル・テクニックの練習、最大パワー、最大速度の向上、なんでもOKです。
色々考えた結果、トライアスロンの3種目トレーニングを犠牲にして、がっつり筋トレをすることにしました。
TSSの状態も全く気にせず、肉体を鍛えます。もちろんトライアスロンに活かすようにです。